新築のトイレといえば、最近はタンクレスが主流です。タンクレストイレを標準採用しているハウスメーカーも増えました。
ただ、一条工務店の標準仕様はタンクありタイプです。2階建ての家では、来客が使う1階はオプションでタンクレスにし、家族だけが使う2階は標準のタンクありを選ぶ、という組み合わせをよく聞きます。
タンクありトイレと聞くと、「災害時に強い」というイメージを持つ方もいるかもしれません。確かに、タンク内に常に1回分の水が溜まっているのは安心材料のひとつです。
ただ、実際に暮らし始めてみると、想像していた“タンクありトイレ像”とは違う点がいくつかありました。そこで今回は、タンクありトイレを使ってみて気づいたことをまとめました。これから設備を選ぶ方にとって、判断材料のひとつになれば幸いです。
タンクありトイレの利点
我が家は27.4坪の平屋で、家族は3人です。
家が小さく、家族も多くないため、トイレは1か所のみにしました。
掃除する場所を増やしたくなかったのも理由のひとつです。
利点1:故障時の交換範囲が小さい
トイレが1か所しかない我が家だからこそ気にしたのが、故障したときの交換範囲です。
トイレの中で一番故障しやすいのはウォシュレット部分で、メーカーが公表している想定使用期間はおよそ10年。
平均的な寿命は7〜10年程度とされています。
便座本体よりも先に、ウォシュレットの機能部分が寿命を迎えるケースが多いということです。
タンクレストイレや一体型のトイレは、このウォシュレット部分が故障したときに本体ごと交換になるケースが多くあります。
トイレが1つしかない我が家にとって、それは避けたいポイントでした。
タンクありのトイレなら、ウォシュレットが寿命を迎えても便座部分のみの交換で済むことが多いという点が最大の利点です。
見た目のオシャレさよりも、いざというときの安心感を優先して選びました。
利点2:災害時に強い
タンクありのトイレは、レバーを引くだけで水を流せる仕組みのため、電気に依存せずに使えるという利点があります。
停電時にも普段どおりの操作で用を足せるのは、災害の多い日本で暮らすうえで安心につながるポイントです。
ただし、断水時の水の入れ方には注意が必要です。
バケツでタンクに給水すればいつも通りレバーで流せると思い込んでいましたが、実際にはタンクへの給水は故障の原因になるため、推奨されていません。
断水時の給水方法

実際にタンクのフタを開けてみると、内部にはプラスチックのフタのようなものがみっちりと収まっていて、水を注ぎ入れられるような空間はほとんど見当たりませんでした。
この内蓋を外すとようやく水が見えます。

しかし、ここに水を入れるわけではありません。
TOTOの取説によると、断水時のタンクへ給水は故障の原因になると明記されていました。
断水時は、タンクではなく便器の中に直接水を入れる仕様です。

断水を経験したことはまだありませんが、知らないままだったら、いざというときに確実に慌てていたと思います。
タンクがあるからといって、給水方法まで想像通りとは限りません。
同じようにタンクありトイレを選んだ方は、一度取説で確認しておくと安心です。
2年半後のタンクの中の様子
トイレのタンクの中はカビやすいという話をよく聞きます。
常に水が入っていて湿度が高く、フタが閉まっていて空気がこもりやすいことに加え、水アカや汚れが栄養になる場合もあるためです。
一方で、最近のトイレは密閉性や防汚加工が進んでいるため、以前ほどカビが発生しやすい環境ではないとも言われています。
住み始めて2年半が経ち、タンクの中がどうなっているのか気になったので、実際に開けて確認してみました。

結果として、カビが発生している様子はありませんでした。
ここがカビていたらどう掃除すればいいのかと身構えていたので、正直ほっとしました。
ただし、ホコリは溜まっていました。
フタが閉まっている場所にもかかわらず、ホコリは入り込んでくるようです。
トイレや脱衣所はもともとホコリが多い場所なので、新築だからといってホコリが入らないわけではないと実感しました。
カビの原因になっても嫌なので、見つけたホコリはそのときに拭き取っています。
取説を確認してみても、タンク内部の清掃についての記載は見当たりませんでした。
つまり、頻繁に掃除することを前提とした場所ではないようです。
とはいえ、今回のように定期的にフタを開けて内部の状態を確認しておくと、安心につながると感じています。
まとめ
タンクありのトイレは、故障時に便座部分だけの交換で済むことが多く、停電時にもレバーで水を流せる点が利点です。
一方で、断水時はタンクではなく便器に直接水を入れる仕様であること、2年半使用してもカビは見られなかったもののホコリは溜まっていたことなど、住んでみて初めてわかったこともいくつかありました。
ただ、実際に暮らしてみると、標準トイレを選んだこと自体には後悔している部分もあります。
その理由については、別の記事で詳しくお伝えしています。
設備を選ぶ際の判断材料のひとつとして、参考にしていただければと思います。

