【実録】一条工務店の家は大地震でどうなった?耐震等級3の平屋で実際に起きたこと

一条工務店グランスマートの地震被害 入居後の暮らし

一条工務店で家を建てるなら、耐震性が気になる方は多いと思います。
耐震等級3と聞くと安心できそうですが、「本当に大地震でも大丈夫なのかな」「実際に揺れたらどうなるんだろう」と不安になることもありますよね。実際に大きな地震を経験した家の“リアルな被害”を知る機会は、意外と多くありません。

我が家は一条工務店グランスマートの平屋です。グランスマートは2×6工法で、一般的な木造軸組工法より壁が強く、地震に強いと言われています。さらに平屋は重心が低いため、構造的な安心感も大きいです。

ただし、我が家の土地は元田んぼで地盤が弱く、地盤改良をして建てた家でもあります。どれだけ構造が強くても、地盤の条件によって揺れ方は変わります。

そんな我が家は、入居してすぐに震度5強の揺れを経験しました。
結論から言うと、まったくの無傷というわけではなく、いくつかの被害や予想外の出来事がありました。

この記事では、2024年元旦の能登半島地震で実際に受けた被害、地震直後に行った対応、そして築2年点検で判明した細かなダメージまでを、時系列でまとめています。 これから一条工務店で家を建てる方や、すでに住んでいる方の参考になれば嬉しいです。

周辺の様子

最初に、我が家の近くの住宅がどのような被害を受けていたのかをお伝えします。

我が家は新興住宅地にあるため、近所は新築の家ばかりです。
外観から明らかな損傷が見える家はほとんどありませんでしたが、雨どいが外れているといった軽微なダメージはちらほら確認できました。

一方、近隣の古い住宅では瓦のずれが多く発生していて、地震後1年ほどはブルーシートを屋根に掛けたままの家をよく見かけました。
1年半ほどで見なくなりましたが、地震直後は修理業者も大忙しで手が回らなかったのだと思います。

また、災害後には悪質な屋根修理業者による詐欺の報告が相次ぎ、注意喚起も出ていました。
「どこに頼めばいいのか」と疑心暗鬼になっている方も多かったと思います。
災害時はこういった詐欺が増えるので、業者選びには十分注意が必要です。

近所では液状化は発生しませんでしたが、海岸に近いエリアでは液状化が起き、電信柱が倒れたり道路が波打ったりする被害も出ていました。

我が家の被害状況

元旦の地震当日、我が家は帰省中でした。
震度5強の揺れの直後、津波警報が発令され、急いで自宅へ戻ることに。
渋滞の中をなんとか帰り着いて、家の中を確認しました。
当時はまだ築2ヶ月。
まさかこんなタイミングで大地震に遭うとは思ってもいませんでした。

トイレの水漏れ

帰宅してすぐトイレに入ると、床が水浸しになっていました。
タオル4枚がしっかり濡れるほどの量で、床近くの配管のつなぎ目が緩んでポタポタと水漏れしていたようです。
夫がナットを締め直すと水は止まりましたが、しばらくはタオルを敷いて様子を見ました。
帰宅するのがもっと遅かったら、家じゅう水浸しだったかもしれません。

トイレの水漏れ

玄関内側の剥がれ跡

玄関土間に、何かが剥がれ落ちたような跡がありました。
化粧モルタルが落ちたのか、タイルが剥がれたのか、その場では判断できませんでした。

玄関土間の剥がれ

クロスの継ぎ目に隙間が発生

家のあちこちで、クロスの角部分に隙間ができていました。
特に壁と天井の継ぎ目が目立ちました。
クロスそのものが裂けたり破れたりするような被害はありませんでしたが、あちこちに隙間ができているのはやはり気になりました。

エコキュートの鉄板がずれる

エコキュートの外側の鉄板が少しずれていましたが、手で押せば元に戻る程度の軽いものでした。

建具が全開・開閉音が変わった

押入れの観音開き扉は全開になっており、ウォークインクローゼットの3枚引き戸も開いていました。
また、地震後から一部の建具で開閉時にこれまで聞いたことのない音が出るようになりました。
一条工務店の建具はどれも軽い力でスッと動くので、揺れで相当動いたのだと思います。

家電・家具への影響

家電・家具への影響をまとめるとこうなりました。

  • フォトフレームや季節の飾りが棚(高さ43cm)から落下。ガラスは割れなかったものの、塗料が床に色移り
  • プラスチックの温度計が高さ151cmから落下してひび割れ
  • 冷蔵庫の上のAlexaが落ちてケーブルが抜けたが、故障はなし
  • 冷蔵庫・タンスは背面を壁にぴったり付けていたためか、倒れずに済んだ
  • タンスの引き出しはすべて開いていたが、本体は無事
  • 壁掛けテレビは問題なし。周囲ではテレビを手で押さえていたという話もよく聞いたので、壁掛けにしておいてよかったと実感
  • オーブンレンジとトースターは自在棚の上で後方にずれていたが、奥側に寄っていたため落下は免れた
  • 洗濯機はかさ上げ台の上で少し動いた形跡あり

家じゅうの収納扉が全ロック状態に

帰宅してもうひとつ驚いたのが、収納扉がどれもまったく開かなかったことです。
洗面台も下駄箱もロックされていて、トイレの水漏れを拭くために急いでタオルを取り出したかった私は、思わず焦ってしまいました。

一条工務店の収納には標準で耐震ラッチが付いており、揺れを感知すると自動でロックがかかる仕組みです。

一条工務店の収納についている耐震ラッチ

解除するにはラッチ部分を思い切って叩く必要があります。
高い位置にあるラッチを外すには踏み台が必要ですが、余震が続く中で踏み台に乗るのは危険です。
そのため、避難用の持ち出し袋をあまり高い場所に置くのはおすすめできません。

具体的にどこを叩くのかはこちらで詳しく紹介しています。
いざというときに焦らないよう、普段からラッチの位置と解除方法を確認しておくことをおすすめします。

余震が続く中でやった対策

幸い断水も停電もありませんでしたが、余震が続いていたためすぐにいくつかの対策を行いました。

落下の危険があるフォトフレームや掛け時計はいったんすべて片付け、オーブンレンジとトースターの下には食器棚用の滑り止めシートを敷いて応急処置。
タンスの引き出しはマスキングテープで仮止めし、全開になっていた押入れの扉は輪ゴムで縛って固定しました。

断水に備えて2Lのペットボトルを買い足し、折りたたみ式のウォータータンクにも水道水を貯めました。
停電対策としては、蓄電池を常に100%充電しておく「蓄電モード」に切り替え。
太陽光発電と蓄電池があると、万が一停電しても普段どおりの電気のある生活がしばらく続けられるので、大きな安心につながりました。

災害時は太陽光発電の運転モードを蓄電に切替

ただ、我が家は雪国。
当時はたまたま雪が少なく発電できていましたが、雪が積もると途端に発電量がゼロになります。
太陽光は頼りになる反面、雪国では天気次第という不安定さもあって、「このまま雪が降らないでいてくれ」と密かに祈っていました。

後回しにしていた冷蔵庫の耐震対策

余震対策の中でひとつ後回しになっていたのが冷蔵庫でした。大きくて重い家電なので、倒れたら命に関わります。

突っ張り棒タイプ・下に敷くタイプ・上部をベルトで固定するタイプの3種類を検討しましたが、取扱説明書を確認すると我が家の冷蔵庫は天面が金属プレートで強度がなく、突っ張り棒は使用不可とのこと。
最終的に、壁に粘着フックを直接貼ってベルトで固定するタイプを選びました。

冷蔵庫の地震対策

ニトリで残り2個のところをなんとか購入できましたが、突っ張り棒タイプはすでに在庫切れでした。

持ち家なので壁紙に直接貼ることに抵抗はありません。
もしクロスが剥がれても、その面だけ貼り替えれば済む話。
冷蔵庫が倒れるリスクに比べれば、はるかに小さな問題です。

基礎にひび割れが見つかった

地震当日には気づかなかったのですが、後日外回りを点検していると基礎にヒビを発見しました。
ヘアークラックと呼ばれるタイプのヒビです。
入居してまだ半年も経っていないのに……と、正直かなり動揺しました。

グランスマートの基礎のヒビ

すぐにハウスメーカーへ連絡して見てもらったところ、「表面の化粧部分だけのヒビで、幅が狭いため薬剤注入は不要」との診断。
自分たちが見つけたもの以外にもう1か所ヒビがあることも指摘されました。
確認してみると、自分たちで発見したヒビのほうが幅が広い状態でした。

どちらも様子見で問題ないとのことでしたが、雨水が入る可能性はゼロではないということで、幅が広いほうのヒビは表面化粧の補修をしてもらいました。
費用は12,760円で全額自己負担。
地震による損傷は、ハウスメーカーによる保証の対象外です。

築2年点検で判明した「もうひとつの爪痕」

地震から約2年後、2年点検を迎えました。
この点検では初めて業者さんが床下にもぐって基礎の内側を確認してくれました。
地震直後の点検は外からの目視のみで、床下までは見ていなかったのです。

そこで判明したのが、地震直後に「様子見で問題なし」と判断されて補修されなかったもう1か所のヒビが、基礎の内側まで貫通していたこと。
しかも床下の写真を見せてもらったところ、内側のほうが広がっているように見える状態でした。
外側から見ると地震直後よりもヒビが見つけにくくなっている印象もあり、季節による気温や湿度の変化が影響しているのかもしれません。

グランスマートの基礎のヒビ
外から見た基礎のヘアークラック

補修する場合はケミカルボンドを流し込む方法になりますが、ヒビの幅が狭すぎてそのままではボンドが入らないため、いったんヒビを広げてから補修する必要があるとのこと。
費用はおよそ4万円で、今回も地震による損傷のため全額自己負担です。

最終的な判断は「現時点では問題なし、経過観察でOK」。
とはいえ内側まで貫通していると聞くと、やっぱり少し不安が残ります。
築2年を過ぎてもなお地震の影響が出てくることに、改めてダメージの深さを実感しました。

まとめ:耐震等級3でも「無傷」ではなかった

一条工務店の耐震等級3の家は、大地震でも倒壊・崩壊することはありませんでした。
ただ、トイレの水漏れ・基礎のヒビ・クロスの隙間など、細かなダメージはいくつも発生しました。
そして地震から2年が経った今も、その爪痕が完全に解決したわけではありません。

地震が来てから対策するのでは遅い、と身をもって実感しました。
耐震ラッチの解除方法は、一度も試したことがなければ今日中に確認してください。
冷蔵庫の転倒防止がまだなら、次の休日に対策を。
断水・停電の備えも、「そのうち」と思っているうちに次の地震が来ます。

「耐震等級が高い家に住んでいるから大丈夫」は、残念ながら正しくありません。
構造が強くても、中の家電は倒れるし、配管は緩むし、基礎にヒビは入ります。
それが現実でした。
備えることへのハードルが、この記事で少し下がれば嬉しいです。

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