【2026年度版】太陽光発電は売るより使うほうがお得|FIT買取単価と自家消費の差額を徹底比較

太陽光発電は売るよりも使う時代 入居後の暮らし

「太陽光発電を設置したら、できるだけたくさん売電したほうが得」——そう思っていませんか?

実は今、その常識は逆転しています。売電単価は制度開始時の42円から大幅に引き下げられ、2026年度は最大24円。一方で電気の購入単価は全国平均31円(2024年度)と、売電単価を上回っています。つまり、発電した電気は売るより自宅で使うほうが得なのです。

我が家は雪国で発電量が控えめですが、それでも年間売電量は9,900kWh(一条工務店のグランスマートで大容量パネルを搭載した実例です)。この数字をもとに「売電し続けた場合」と「自家消費した場合」を具体的に比較してみました。FIT制度の仕組みや卒FIT後の実態も含めて解説します。

FIT制度とは

FITとは、太陽光発電などで作った電気を、国が定めた固定価格で電力会社が一定期間買い取ることを義務付ける制度です。「固定価格買取制度」とも呼ばれます。

住宅用(10kW未満)の場合、買取期間は10年間です。自宅で使いきれなかった余剰電力を、設置した年度に決まった単価で10年間売ることができます。買取単価は設置年度によって異なり、毎年度改定されます。

10年間のFIT期間が終了することを「卒FIT」と呼びます。卒FIT後も売電は可能ですが、国の固定価格保証はなくなり、単価は大幅に下がります。

発電した電気は売るより自宅で使うほうが得な時代

太陽光発電で作った電気は、売電するより自宅で消費するほうが経済的メリットが大きくなっています。理由はシンプルです。

2026年度単価
FITで売る(新規認定1〜4年目)24円/kWh
FITで売る(新規認定5〜10年目)8.3円/kWh
電気を買う売電単価を上回る

電気の購入単価は地域や契約する電力会社・プランによって異なりますが、いずれの場合もFITの売電単価(最大24円)を上回ります。参考値として、資源エネルギー庁の統計に基づく家庭用電気の全国平均単価は約31円/kWhです(2024年度実績)。

発電した電気を売るより自宅で消費するほうが、差額分だけ節約になります。FIT期間の後半(5〜10年目)は売電単価が8.3円まで下がり、差はさらに広がります。

我が家の実例で計算してみると

実際に試算してみました。我が家は雪国のため、日照時間が少なく冬季の発電量は大幅に落ち込みます。それでも年間売電量は9,900kWh(月平均825kWh)あります。一条工務店の大容量搭載であれば、日照条件の不利な地域でもこれだけのポテンシャルがあります。

この電力をすべて自家消費に切り替えた場合、売電し続けた場合と比べてどれだけ差が出るかを計算します(購入単価は全国平均の31円で試算)。

FIT期間中(新スキームを適用)

2026年度単価売電した場合自家消費した場合差額
1〜4年目(24円)9,900kWh × 24円 = 237,600円/年9,900kWh × 31円 = 306,900円/年+69,300円/年
5〜10年目(8.3円)9,900kWh × 8.3円 = 82,170円/年9,900kWh × 31円 = 306,900円/年+224,730円/年

FIT期間の前半でも年間約7万円、後半になると年間約22万円も自家消費のほうが得になります。

卒FIT後(大手電力・基本プランで売電した場合との比較)

エリア売電収入/年自家消費の節約/年差額
東北電力(9.0円)89,100円306,900円+217,800円
東京電力EP(8.5円)84,150円306,900円+222,750円
北海道・北陸・関西電力(8.0円)79,200円306,900円+227,700円
中国電力(7.15円)70,785円306,900円+236,115円
中部・四国・九州電力(7.0円)69,300円306,900円+237,600円

卒FIT後はエリアを問わず、自家消費のほうが年間約21〜24万円得になります。売電収入として受け取れる額の3〜4倍以上の節約効果があることになります。

※売電量すべてを自家消費に切り替えられるわけではなく、実際の自家消費率は家庭の電力使用パターンや設備容量によって異なります。

なぜこうなったのか|FIT買取単価は下がり続けている

制度開始の2012年度、住宅用の売電単価は42円でした。当時は電気の購入単価より売電単価のほうが高く、「売れば売るほど得」という構造でした。

しかしその後、買取単価は毎年度引き下げられ続けました。引き下げの根拠は、資源エネルギー庁が「効率的な事業が行われた場合に通常必要となるコスト」を基礎に調達価格等算定委員会の意見を踏まえて毎年度改定するものとされており、太陽光パネルや関連機器のコスト低下が反映されています。

住宅用(10kW未満)FIT買取単価の推移

年度買取単価(1kWhあたり)前年比
2012年度42円ー(制度開始)
~中省略
2024年度16円0円
2025年度(4月〜9月)15円−1円
2025年度(10月)〜2026年度24円(1〜4年目)
8.3円(5〜10年目)
新スキーム導入
出典:資源エネルギー庁「なっとく!再生可能エネルギー|買取価格・期間等」

「24円」は高く見えるが平均すると14.6円

2025年10月以降の新規認定案件に適用される「初期投資支援スキーム」は、FIT期間前半に高い単価を設定することで初期投資の回収を早める仕組みです。

FIT期間買取単価
1〜4年目24円/kWh
5〜10年目8.3円/kWh
10年間の平均約14.6円/kWh

(24円 × 4年 + 8.3円 × 6年)÷ 10年 = 14.58円

10年平均で見ると約14.6円です。電気の購入単価と比べると、FIT期間を通じて自家消費のほうが有利であることに変わりはありません。

卒FIT後はさらに下がる|地域によっては7.0円

FIT期間(10年間)が終了した状態を「卒FIT」と呼びます。卒FIT後も余剰電力の売電は可能ですが、国の固定価格保証はなくなり、各電力会社・新電力会社が独自に設定した単価での買取になります。

大手電力会社の卒FIT買取単価(2026年度)

卒FIT後の売電先として、まず各エリアの大手電力会社(基本プラン・固定単価)があります。

電力会社2026年度 買取単価
北海道電力8.0円/kWh
東北電力9.0円/kWh
東京電力エナジーパートナー8.5円/kWh
中部電力ミライズ7.0円/kWh
北陸電力8.0円/kWh
関西電力8.0円/kWh
中国電力7.15円/kWh
四国電力7.0円/kWh
九州電力7.0円/kWh
沖縄電力7.7円/kWh

※各社の基本固定単価プランの2026年度単価です。各社ともポイント還元・電気契約セット・電気預かりサービスなど複数プランを用意しており、条件によって実質的な受取額が変わります。最新単価は各社公式サイトでご確認ください。

新電力の例:一条でんきの買取価格

一条工務店の太陽光設置者向けサービス「一条でんき」(出光興産)の2026年度買取価格は以下のとおりです。

スタンダード買取プラン(買取のみ契約)

エリア買取単価
北海道・東北・東京エリア9.5円/kWh
中部・北陸・関西・中国・四国エリア8.5円/kWh
九州エリア7.5円/kWh

でんきセット買取プラン(一条でんきの電気供給サービスも同時契約)

エリア買取単価
北海道・東北・東京エリア11.5円/kWh
中部・北陸・関西・中国・四国エリア10.5円/kWh
九州エリア9.5円/kWh

2025年度は全国一律9.0円/kWhでしたが、2026年度からエリア別の価格設定に変更されました。

エリア2025年度2026年度
(スタンダード)
変化
北海道・東北・東京9.0円9.5円+0.5円
中部・北陸・関西・中国・四国9.0円8.5円−0.5円
九州9.0円7.5円−1.5円

卒FIT後の買取単価は、FIT期間中(1〜4年目)の24円と比べると3分の1以下です。卒FIT後こそ、売電より自家消費の優先度がさらに高まります。

※出典:一条でんき(出光興産)公式サイト

まとめ

太陽光発電は、これまでのように「売電で収入を得る」ものではなく、自分の家で使って電気代を減らすための設備へと完全に役割が変わりました。日中にしっかり発電している時間帯に、エコキュートの沸き上げや冷暖房の稼働、家電の使用を合わせることで、買う電気を大幅に減らせるというメリットがあります。

一方で、天候による発電量の変動などのデメリットはありますが、蓄電池やV2Hを組み合わせることで、より「電気をほとんど買わない暮らし」に近づけます。太陽光を検討中の方は、売電収入だけでなく「自家消費」による節約効果を軸に計画してみてください。

最終更新:2026年3月
※本記事の価格・制度情報は記事作成時点の情報です。最新情報は資源エネルギー庁および各電力会社の公式サイトでご確認ください。

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